昔話ー章1ー第1

章1-第1

 

聴:

仕事の取替えっこ

 

仕事の取替えっこ

 

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
 おじいさんは毎日、山へしばかりに、おばあさんは毎日、川へ洗濯に行くのですが、ある日の事、おじいさんがおばあさんに言いました。
「なんじゃい、この薄汚れたふんどしは。もっとしっかり、洗濯をせんか!」
 すると、かまどでご飯をたいていたおばあさんも、負けじと言いました。
「それを言うなら、なんですか、このしめったしばは? もっと乾いたしばを取ってこないと、ご飯がたけないじゃありませんか」
「なんだと! 文句を言うなら、ばあさんがしばを取ってくればいいんだ!」
「では、おじいさんが洗濯をしてください!」
 そこで二人は、仕事を取替えっこする事にしたのです。

 次の日、おじいさんは洗濯物を持って川に行きましたが、川の水はとても冷たくて洗濯どころではありません。
「ばあさんのやつ、こんなに冷たい水で洗濯をしていたのか。これでは手がかじかんで、うまく洗濯できんのは当たり前だ」

 一方、山へしばかりに行ったおばあさんですが、しばはそう簡単には見つかりません。
 たまに見つかっても、しめった小さな物ばかりです。
 それに山道を歩いてきたので、もう足がくたくたでした。
「おじいさんは、こんな山道をいつも歩いていたんですね。それにあるのは、しめったしばばかり」
 こうして、おじいさんはうまく洗濯が出来ず、おばあさんはうまくしばかりが出来ないまま、家に帰って行ったのです。
 その帰り道、ばったり出会った二人は同時に言いました。

「ばあさん、すまない。洗濯ができなかった」
「おじいさん、すみません。しばかりができませんでした」

「・・・わはははははは」
「・・・うふふふふふふ」

 それから二人は、大笑いです。
 こうして次の日からは今まで通りに、おじいさんがしばかりに、おばあさんが洗濯に行く事になったのです。

おしまい

 

ふりがな

 

聴: 

 

仕事の取替えっこ

 

仕事の取替えっこ

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがんでいました。

 おじいさんは毎日まいにちやまへしばかりに、おばあさんは毎日まいにちかわ洗濯せんたくくのですが、あること、おじいさんがおばあさんにいました。
「なんじゃい、この
うすよごれたふんどしは。もっとしっかり、洗濯せんたくをせんか!」
 すると、かまどでご
はんをたいていたおばあさんも、けじといました。
「それを
うなら、なんですか、このしめったしばは? もっとかわいたしばをってこないと、ごはんがたけないじゃありませんか」
「なんだと! 
文句もんくうなら、ばあさんがしばをってくればいいんだ!」
「では、おじいさんが
洗濯せんたくをしてください!」
 そこで
にんは、仕事しごと取替とりかえっこすることにしたのです。

 
つぎ、おじいさんは洗濯せんたくぶつってかわきましたが、かわみずはとてもつめたくて洗濯せんたくどころではありません。
「ばあさんのやつ、こんなに
つめたいみず洗濯せんたくをしていたのか。これではがかじかんで、うまく洗濯せんたくできんのはたりまえだ」

 
一方いっぽうやまへしばかりにったおばあさんですが、しばはそう簡単かんたんにはつかりません。
 たまに
つかっても、しめったちいさなものばかりです。
 それに
山道さんどうあるいてきたので、もうあしがくたくたでした。
「おじいさんは、こんな
山道さんどうをいつもあるいていたんですね。それにあるのは、しめったしばばかり」
 こうして、おじいさんはうまく
洗濯せんたく出来できず、おばあさんはうまくしばかりが出来できないまま、いえかえってったのです。
 その
かえみち、ばったり出会であったにん同時どうじいました。

「ばあさん、すまない。
洗濯せんたくができなかった」
「おじいさん、すみません。しばかりができませんでした」

「・・・わはははははは」
「・・・うふふふふふふ」

 それから
は、大笑おおわらいです。
 こうして
つぎからはいままでとおりに、おじいさんがしばかりに、おばあさんが洗濯せんたくことになったのです。

 

おしまい

 

 

 

NHẬN XÉT

 
 

 
 
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